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諏訪 武; 栗林 伸英; 立川 圓造
防食技術, 36(4), p.204 - 209, 1987/04
硫酸-セリウム(IV)(SC)溶液中におけるNiFeOの酸化溶解について、ニッケルフェライトの還元溶解に関する従来の研究との比較で検討を行なった。NiFeOにおけるNi,Fe各成分の溶解速度はSC溶液の酸化還元電位に大きく依存する。各成分の溶解速度の大きさは、0.25MHSOあるいはSC溶液へアスコルビン酸を添加した溶液中ではFeNi,SC溶液ではNiFeである。NiおよびFe両溶解速度は主に温度(40~90C)に依存し、Ce濃度(1.3~1010M)とHSO濃度(0.25~0.5M)にほとんど影響を受けない。溶解はレドックス反応によらず、SC溶液中のCeによって酸化されたNioxide,が溶解を促進するための触媒作用をする。NiFeOの全溶解速度は還元性溶液ではFeが、酸化性溶液ではNiが支配的である。
諏訪 武; 栗林 伸英; 立川 圓造
防食技術, 36(3), p.127 - 133, 1987/00
原子力施設の化学除染法の開発との関連で、硫酸-セシウム(IV)(SC)溶液中における高クロム含有酸化物の溶解挙動を検討した。CrNiFeOのCr,Ni,Fe各成分の溶解速度はSC溶液の酸化還元電位とpHに大きく依存する。各成分の溶解速度の大きさは、0.25MHSO単独溶液ではFeNiCr=0であり、SC溶液ではCrNiFeである。CrとNiの溶解速度は酸化性溶液で増加する。Crの溶解速度はCe濃度の一次に比例して増加する。クロム含有酸化物を溶解するのに必要なCe量は酸化物の量とそれらの成分が明らかになれば計算できる。即ち、溶解はレドックス反応に支配され、酸化物中のFe(II)とCr(III)はFe(III)とCr(VI)に酸化されるが、Ni(II)とFe(III)は関与しない。
諏訪 武; 栗林 伸英; 吉田 善行; 立川 圓造
電気化学, 54, p.974 - 976, 1986/00
サイクリックボルタンメトリーを適用して、硫酸および硝酸溶液中におけるFe,Cr(VI),Ni共存下におけるCe濃度の測定法を確立した。標準測定条件は、電位掃引範囲1.55~-0.5V(VS Ag/Agcl)、掃引速度50mV/S、回転速度1000rpmである。測定に必要な試料液量はCe濃度110M前後で110dmである。本測定法を確立したことにより、HSO-Ce系溶液における除染、腐食、金属酸化物の溶解試験時のCe消費量を測定できるようになった。
諏訪 武; 栗林 伸英; 立川 圓造
Journal of Nuclear Science and Technology, 23(7), p.622 - 632, 1986/00
被引用回数:6 パーセンタイル:59.04(Nuclear Science & Technology)種々のクロム含有模擬クラッドの溶解および放射能汚染試料の除染効果(DF)について、硫酸-セリウム(IV)溶液(SC)と既存の代表的除染剤を用いて比較検討を行った。SC溶液は高クロム含有クラッドに対し、CrだけでなくFeとNiも同時に溶解することを見出した。クラッドの溶解は主にCe(IV)濃度(1.3~1010M)と温度(40~90C)に依存し、硫酸濃度(0.2~0.5M)には依存しない。0.25MHSO-510MCe(IV)溶液、90C24時間で、DF=33を得た。一方、Ce(III)からCe(IV)への電解再生下では、0.25MHSO-1.310MCe(IV)、80C、24時間でDF=460を得た。さらに、本除染法と超音波洗浄を組合せることにより、残留表面放射能を110Ci/cm以下にできたことから、解体後機器の除染への適用も可能であることを明らかにした。